うつ病・不安障害日記

毒親の両親に育てられ、成人後ひどいうつ病を発症した毒子日記です。

フリーター、家を買う

 秋のドラマ、「フリーター、家を買う」を見ました。初回から見ていますが、うつ病を抱える家族の大変さが、よく出ているな、と思います。
 
 主人公は、仕事を3ヶ月でやめたダメな若者、という設定なのですが、ちゃんと偏屈な父親ともコミュニケーションを図ろうとしているし、母親の面倒も見ているし、きつい肉体労働にも耐えて就職活動もしているし、全然ダメじゃないです。本当にダメなやつっていうのはこういう局面でも何もしないです。
 
 ところで、コミュニケーションがきちんと人ととれているかどうか、というのは、この病気にとってはとても大事なこと。村上春樹の小説、「風の歌を聴け」の中で、「文明とは伝達である」という始まりで、言葉を使わずにお腹がすいたということをどう表現するか、結局言葉を使わなければ伝わらないのだ、ということを示す内容があります。ここでは自分の意思表示をすることがいかに大切か、ということがテーマにされているのだと思う。
 
 このドラマでは、母親がそれができていないようです。ドラマの中心テーマである、フリーターの成長という点では、ゴールが「家を買うという目標を立てそれに向かって仕事をすること」なんでしょうけど、母親のうつ病の克服、という観点から見ると、父親と母親がコミュニケーションをとるようになり、母親が父親に対してきちんと意思表示できるようになること、これがゴールになるかな、と思います。
 
 この母親は父親にいったい何をしてほしいのでしょうか?何が不満で、何を我慢しているのでしょうか?それが自分自身にも見えていないのでしょう。あまりに我慢することに慣れてしまったからなのでしょう。それをきちんと表明し、依頼できるようになるといいのでしょうね。