光と闇
光と闇、清濁、功罪
人と世の中はいろいろな側面を持つ。
光があるから生きられるし、闇があるから人生には彩りや味わいがある。光の強いところほど、闇も深い。
深い闇を持つ人たちを身近に見てきた。挫折し、期待を持ち、また大きく挫折し、失望し、それを繰り返すが、結局成長をしない。成長をするにはそれなりの精神的資質、知的能力、そういったものを必要とするがそれに限界がある者も多いからだ。ドラマのようにはいかない。周囲に胆力があり光を当てることができる人も存在しない、ただ寂しくじわじわとゆっくりと、荒廃していくだけの人を見た。最後に自ら命を絶ってしまっても、本人の苦しみを見れば、それが最良の決断だったと周囲も認めざるを得ないような人たちだ。
「自分はどうしても生きていてほしかったが、本人にとってみればこれが、よかったのでは」と親が漏らす。
「この人は人生に決着をつけた」と援助者が漏らす。
家族も周囲も手を尽くし、その一時一時を目の当たりにし共に過ごし、その上でなお、そう思う、というわけだ。
そういう種類の人たちがこの世の中には存在する。
そんな底知れぬ深い闇があることに、我々は気づいている。