治していくときに必要な心構えと考え方(1)
今回は、これまでやってくる中で、あれこれ試行錯誤していきながら、学んだことがいくつかあったので、それをご紹介させていただきたいと思います。
まずは、、、
病的な部分は、無理に変えない方がいい。変わる時は自然に変わる。
病気になったということは、自分に非があるとかないとかではなく、複合的な要因が重なって、そうなってしまったところがあると思う。
でも、どうせ病気になったからには、自分の中で、病気に至る原因となった部分を変えていっても、損はないと思う。人間として成長できるという保証はないけれども、
人に断れなかった人が断ることを学ぶ
休むことを知らなかった者が上手な休み方を学ぶ
忍耐をしなかった者が忍耐を身につける
人に助けを求められなかった者が助けを求めることを学ぶ
周囲の人と断絶していたコミュニケーションを回復させる
人に振り回されっぱなしだった人が自分のペースで生きられるようになる
といった、良い変化が生まれることがある。
一方で、そういう部分と言うのは、病気になりさえしなければ、顕在化することもなかったわけである。そういうところを健康なときから無理に変える必要はない。いつも落ち着きがないとか、常に何か目標がないと生きられないとか、いつの間にか人を遠ざけてしまっているとか、ひとりよがりだとか、大変なときこそあちこち手を出してしまうとか、どこか、人に依存して生きていないといられないとか、そういう部分は誰しも持っている。
あちらが立てばこちらが立たず、という言い回しがある。こっちのボタンを押すと、あっちが出てしまう。病的な特徴の部分で何とかバランス保ってやっていられるという場合もあるから、わざわざ直す必要はない。こういうところをわざわざ直そうとすると、大抵別のどこかがおかしくなってくるものである。
だが、いったん病気になってしまうと、こういうところが悪い面として前面に出てきて、病気の回復を妨げる場合が多い。
そういうときでも、無理に直す必要はない。自分を変える必要はない。現状のニーズに合わせて、どうしてもやらなければならないことを具体的に解決していく。その中で、成長する部分は自然と成長していき、変化を遂げるものなのだと思う。