今日の認知療法
今日の認知療法です。認知を変える手法は、主に「証拠について考える」ですが、それ以外にもあるので今回はそれも付け加えてやってみました。少々長いです。
（１）同定
状況：夜 居間で
感情：おちこみ90、絶望70、怖い90、焦り90
自動思考：病前からもともと問題だった。これは大変なことになったぞ。何年もかかるぞ。
（２）検討
★ 証拠について考える
根拠：友達と真にかかわったことがない。仕事の時もPCに一人向かっているときが一番安心だった。今回病気になった。職場の同僚ともうまくやれず鬱になったり喧嘩になったりしていた。父親とは話せない。母親とは喧嘩ばかり。ちょっとしたことでものすごく恥を感じたり耐えがたい怒りが長引いたりする。
反証：あるプロジェクトのリーダーとして皆で協力してやっていた。友人Aとはつかず離れずだが何とか交流している。夫とはちゃんと関係を築いている。母親と喧嘩ばかりの人なんてたくさんいる。とりあえず数年間葛藤しながら勤務した。恥を感じるときについてもっと詳しく調べてそうならないようにしてみたらどうか。
総合：大変ではあるだろう。だができないことはない。目標が高すぎる。
★ 理論対感情
感情；これは大変なことになった。
理論：そんなに焦って大げさに考えなくても
感情：もう時間がない
理論：と言っている間に時間が過ぎさる
感情：子供を産む気になれない
理論：それは薬飲んでるからでしょ。飲まなくなったらどう思うかなんてわからないでしょ。
感情：でもまだ焦りとか不安とか落ち込みとか震えとか残っているし
理論：それはそうだよ。まだ途中なんだから。
感情：よくなるかなあ
理論：うん。
総合：薬を飲んでいるから産む気にならないだけでのまなくなったらどう思うようになるか分からないのと、まだ症状が残っているから薬が必要なのは当たり前。そんなに大した事件ではない。
★ ソクラテス的質問
これは大変なことになった。
↓それはそういうことを意味するの
一歩前に出たい、でもでると社会で恥ずかしい思いをするし、精神症状が出るから出られない、で悪循環に陥る。
↓それはどういうことを意味するの
一生このままだ
総合：決めつけでは？
★ 単に別の見方
・別にそんな焦って将来のことを決める必要は全くない
・発症時も同じこと思ってたけどよくなっている
・こういうの初めてだから慣れてないんじゃない？でも実際はそんなに問題状況ではないんじゃない？
★ 認知的連続表
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０
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２５
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５０
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７５
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１００
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どんどん悪化する
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状況が悪くなる
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一生今のまま
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数年かかるがその後は悪戦苦闘
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あと3か月で改善。その後は順調。
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50代でも引きこもり
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総合：今より悪い状況もたくさんある。今はまだよい方かもしれない。
★ 非現実的な面
・良くなってないとか、いまさら何言ってんの。もうずっと前から大変な状況で今は抜け出してきてむしろ喜ばなければいけないのに。
★ 損得分析
メリット：ない
デメリット：焦る。おちこむ。幅広い妥当な視野が持てなくなる
総合：考えててもメリットはない。
★ 定義について考える
大変なことになった：踏み出さないといけないのに怖がって踏み出さず、でも踏み出そうとすると精神症状がでちゃって結局転ぶ
何年もかかる：死ぬまで引きこもり
総合：ある意味心理的にはひきこもりだし、そんなこといったらうちの母親だってそうだし、別の意味では、ひきこもりでもない。習い事とか行ってるわけだし。「ひきこもり」というレッテルはり。
★ 最悪の結末と最高の結末、現実的な予測
最悪の結末：死ぬまでこのまま
最高の結末：数か月で完璧に開ける
現実的な予測：死ぬまでこのままってことはありえない。紆余曲折あるけど。
★ 総合的な判断の上で根拠に対する反論をしてみる
総合判断：目標が高すぎる完璧を狙いすぎている。薬を飲んでいるから産む気にならないだけでのまなくなったらどう思うようになるか分からないのと、まだ症状が残っているから薬が必要なのは当たり前。そんなに大した事件ではない。引きこもりと同じだとかある意味ひきこもりだしある意味ひきこもりじゃないしそんなの分からない。決めつけとレッテルはり。今の状態でも実際はそんなに大事件でもない。何年もかかってやばいとか言ってるけど何年もかかってよくなるならそれはいい方だよ。もっと悪いってことを考えたことあるの？いまさらやばいとか発症時の方がずっとやばかったのに。
根拠に対する反論：
友達と真にかかわったことがない。：その通り。でも大きな問題じゃない
仕事の時もPCに一人向かっているときが一番安心だった。：そんな人いっぱいいる
今回病気になった。：いろんな要因が重なった
職場の同僚ともうまくやれず鬱になったり喧嘩になったりしていた。：そんな人いっぱいいる
父親とは話せない。：問題だがしょうがない
母親とは喧嘩ばかり。：そんな人いっぱいいる
ちょっとしたことでものすごく恥を感じたり耐えがたい怒りが長引いたりする。：対処法を見つけていこう
（３）新しいスキーマの補強
★ かのようにふるまう。
現状のままで特に何かを変えない。今のままで十分幸せと思えている。いろいろある問題点については、掘り起こしたらきりがないから確かにそこにあるものとして考えられている。今のままで楽しいことを見つけられる。別に仕事とかそこまでじゃなくても。飲んでいる薬はいつかやめられるだろうと思えている。「病気を治すための何か」に踏み出さない。外に出て手が震えたら、ちょっとまだ症状残ってるなと思えばいい。病気は今までのヒストリーの１ページにすぎない。
