うつ病・不安障害日記

毒親の両親に育てられ、成人後ひどいうつ病を発症した毒子日記です。

不毛地帯

 今日はドラマ化されていた「不毛地帯」の1巻の後半をいっきに読みました。
不毛地帯は実在の人物、瀬島龍三氏がモデルになっているとの噂。早速you tubeにて氏を検索したところ、「平成日本のよふけ」というタイトルの番組があがっており、インタビューを受けていました。本の内容と同様の内容の箇所がいくつかあり、やはりモデルなのかもしれません。
 第二次世界大戦時の大本営参謀にて、敗戦後シベリア抑留11年、帰還後というか生還後は、伊藤忠商事にて異例の出世をとげ、最後は会長にまで上り詰めた方。
 
 you tubeでは、高齢にもかかわらず姿勢もよく、話の筋もよく通っていて、驚きました。成功した高齢者にありがちな迂遠で自慢げなところが全くなく、懐に核のある、覚悟を持って生きておられる方との印象を持ちました。
 
 果たしてその人生は、普通のドラマよりも波乱万丈、いったいどんな信念を持って生きてきたのかと見ていましたが、you tubeで見るところ、気がついたのが、天皇の話が出ると涙腺が激しく緩む、というところ。現代日本人には完全に薄れてしまった国家意識が、この人の人生の根幹を貫いていたものと思われました。
 
 私たちの世代は、絶対的なものの存在、それは神でも国家でも天皇でもなんでもよいのですが、そういうものが否定されて育っている世代。全て相対的な物差しで、この世の中で生きていかなければならない。だから人よりも劣っていれば、どこに自分の拠り所を持てばいいのか分からない、ということになり、うつ病も増える。絶対的な物差しのもとに、各人に、優れた者も劣った者も、役割があるのだということを、こころの芯となる部分に持たないと、生きられない。心はよりどころを失えば火の玉みたいに消えてはつき、ついては消え、あちらこちらとさまようしかない。そうすると自然、不安定になる。
 
 どちらにせよ、瀬島龍三氏、ひとかどの人物とお見受けしました。2巻、3巻と楽しみにしています。