うつ病・不安障害日記

毒親の両親に育てられ、成人後ひどいうつ病を発症した毒子日記です。

新型うつ

嗚呼
『新型うつ』
なる、うつの新種のウイルスが発生したみたいなこの言葉。インフルエンザじゃあるまいし。
この、言葉のおかげで、多くのうつ患者がこれを使い始めた。
使うときの論調はこんな感じ。

うつ病なのではなく新型うつだ」(その含意は総じて、「やはり怠けているだけ」)
これでは「うつ病は病気であって怠けではない」と必死で社会に訴え続けてきた多くの人たちの努力が水泡に帰すではないか。

まあ、それはそれで仕方がないとして。「新型うつ」というカテゴリーを作らないとやってられない人は、使ってください。どうぞ。でも「健康なのになまけているのとは違いますよ」と付記してもらいたい。

うつ病が怠けではなく、病気である根拠はじゃあなにか?

①今から「うつ病になろう」と意志の力で念じ、うつ病の症状をすべて自分の意志の力で出してみてほしい。それでできたなら、確かに自分の意志でコントロールできるはずのなまけ病であることを認めよう。「うつの症状は出そうと思っても出せない」、これが病気であることの根拠。

②あの地獄のきつい症状に耐えている時点で、「怠け」ていない。これが認知療法的に言えば「怠けている」の反証。

 「うつ病は怠けている」という言い回しは、自分の心の中にも存在する暗い闇の部分を認めたくない人が、それを心の中から排出して他者(この場合はうつの人)に投影し、認めない所作として、「なまけているだけ」と断罪している、というのが真実であろうと思う。こういうことを言う人は決まって「断罪」する。断罪するということはそれだけ感情的になっているということである。感情が含まれているということは何か心動かされるものがあるということの証拠である。この場合は自分の中に存在する弱い心を認めることの恐怖である。

 要は、人間の弱い部分を認めるのが怖いのはあなた自身でしょ、ということである

 それを人にぶつけるのはやめてもらいたい。「新型うつ」もまさに、その象徴であり、ああ、またかという気がしているのである。