うつ病・不安障害日記

毒親の両親に育てられ、成人後ひどいうつ病を発症した毒子日記です。

精神科のかかり方 心構え

 精神科にかかるときの心構えについて考えてみた。
 実は私は、発症してから最初の3ヶ月ぐらいは非常に危機的な状況にあったんだけれど、一回精神科に行って、それ以上は行かなくなった。行かなくなったというより、行けなくなった。多分そのときの初診医と合わなかったのだろう。
 
 結局、精神科に行かなければという葛藤を抱えながら、1年が経過した。その間、抗うつ剤は使わず、内科で睡眠導入剤抗不安薬を処方してもらうだけで乗り切ってきた。
 
 この方法が正しかったかどうか、そしてこの方法をこれからもとり続けることが正しいのかどうか分からない。精神科での治療をきちんと受け、抗うつ剤をきちんと投与すれば、こんなに苦しまずに、もっと早くに、回復できたかもしれない。そういう可能性は十分にある。
 
 でも私にはできなかった。精神科にそれ以上足を踏み入れることができなかった。最初の受診で、失敗した、ということもあるかもしれないし、精神科に偏見を持っているのかもしれないし、理由は分からない。
 
 それで仕方なく、内科で処方をもらい、あとは家族に助けてもらい、苦しみの中でまるで苦行を積むような形で、試行錯誤をしてきて自分の症状を理解しようと努めてきた。そして何とか、ひどいパニック状態にならないようコントロールできる方法を、この一年間で身につけてきた。
 
 癌の治療では、手術か、放射線治療かといった、治療の方針がある。うつ病も同じ。精神科通院と投薬治療、家族の協力、休養、といったものが治療の柱である。しかし、この病気は非常に厄介なもので、柱が決まっていてもその通りにやっていればいつの間にかよくなるというような単純なものではないのである。同じうつ病でもいろいろなタイプがある。同じ癌でもいろいろなタイプがある。合う薬も違うし、副作用も人によって違う。これに対しては、みんなで協力して、話し合い、試行錯誤をして、時には哀しい決定をして、そうやって治療していくしかないのである。
 
 精神科に行くと、「先生が治してくれる」と思っている人がいる。そしていつまでもよくならないと「治してくれない」と不満を言う。でも精神科の先生は治してくれるのではない。はっきりいえば、先生だってやってみなければ、わからない、ということがあるのだ。
 
 精神疾患の場合、どの薬が合うか合わないか、副作用はどの程度か、そういったことを、医者と患者・家族が正直にコミュニケーションをとって試行錯誤をしてやっていく、という心構えが必要だ。その意味では、医者にも正直になってもらいたい。できないことはできないし、やってみなければ分からないことはそういう必要がある。カウンセリングも同じだろう。