小さいが大きな一歩
毎日、毎日、時間が余っていていろいろ考え込んでしまい具合が悪くなるということを繰り返していた。
週1日仕事は始めたが、それ以外は、時間が空いている。
空いているなら読書したり家事したりすればいいのにそれが全然できない。
インターネットをぐるぐると意味もなく眺めていて具合が悪くなっている。
もともとお風呂に入るのが面倒くさくて好きではないので、お風呂も毎日入らない。ごはんも作らない。それが病気のせいで余計に億劫さが増している。
そこで考えた。毎日何かをして時間を埋めようと。
アルバイトをすればいい。
でもアルバイトにはどうもやる気がでなかった。体力的に大丈夫か、また手が震えて恥ずかしい思いをするのではないか、仕事が退屈だったらいやだな、わざわざ人間関係で面倒な思いをしたくない、やったこともない仕事なんてやりたくない、そんなことが妨げになっていた。
人前で恥をかいたり、負荷がかかって病気が悪化する可能性を懸念してそれでなかなか踏み出せないできた。実際仕事を始めて人前で手が震えるという事件があったのだから、この不安は、まんざら考えすぎでもないのだ。
どこかで、このまままたすこし待っていれば、いつの間にか体力が回復していたり、いつの間にか、全く手が震えなくなっていたり、することがあるかもしれない、それならそっちの方がいい、ずっと心のどこかでそう思ってきた。
でもそれでは、考え込みすぎて具合が悪くなるという状況を打開できないことも、こころのどこかで気づいていた。
しかし一番、この状況打開に向けてアクションを起こせない一番の理由は、
「健康な時だったら私はもっとてきぱき履歴書書いたりしていたはずなのに!」
という思いだったと思う。
そこで考えた。
ここで失敗を恐れて踏み出さないまま、具合が悪い状態を続けるか
それとも失敗をこみで、前に踏み出すか。
どちらかしかないのだ。自分はどちらの人間になりたいのだ???
私は失敗を恐れて、一歩も踏み出せない人間にはなりたくないと考えた。そういう自分を変えたいと思った。失敗なしで元の状態に戻ろうなんて虫が良すぎるのだ。そんな人間に神様が良い結果をもたらしてくれるか?
私が神様だったらそんな人間お断り。
だから踏み出すことにした。
体力や、人間関係、手の震え等、不安なことはたくさんあるし、多分問題がまた起こるんだろうけど、とりあえず今の状態からは抜け出そう。
それでアルバイトにいくつか申し込んだ。今の仕事以外の軽作業に応募してみた。面接も履歴書の準備もものすごく億劫だったけど、何とかやっている。
大きな一歩。